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「普通の会社の年功序列型の人事処遇制度だと、若い社員にどんなに実力があっても、ポストがあるか、あるいは勤続年数がたたないと、給料がなかなか上がりませんね。
しかし、われわれのビジネスの場合、本人が努力し、技術レベルが上がれば、また仕事に対する取り組み、幅広い経験を派遣先企業が評価してくれれば、派遣先企業と交渉して派遣料金を上げることができます。
その増分一定率を本人に還元、具体的には給料を上げることができます。
だから、会社と社員がWIN‐WINの関係になれます。
これは派遣というビジネスだから可能なのです」AのM雅明常務はそう説明する。
自由度が高く、社員も会社もいくらでも成長できる仕組みというわけだ。
このユニークな発想のビジネスを柱とするIT事業部の売上高は年々順調に上がっている。
社員の多くが「この人がいたから入社した」と明かす人物「Mさんに『一緒にやろうよ』と言われたんです」「Mさんと話をして、この人がいる会社だから頑張ってみようと思いました」。
AのIT新卒特定派遣社員に「なぜこの会社に決めたのですか」と聞くと、特に、このプログラムの初年度採用で入社した人からそのような言葉がよく聞かれた。
A常務取締役M氏。
このIT新卒特定派遣の仕組みを構想し、事業を立ち上げた人物だ。
2000年からAに在籍し、現在、同社の経営マネジメントに携わっているM常務だが、かつてはAで長く人事採用担当をしていた。
人事採用担当時代は、Aの新卒採用において革新的な試みを次々に行った。
たとえば、M常務が(当時、採用グループ長)構想して1996年に開始し、日本企業の人材採用の先駆的なあり方として話題をさらった「ボーダレス採用」だ。
国籍、性別、大学名、年齢、新卒・既卒の別なども一切問わず、採用窓口を一年中開くオープンエントリー制度で、現在もAグループの採用活動のベースとなっている。
「優秀な人、伸びる人をどうすれば採用できるのか。
面接のコツを教えてほしい」こう問われたM常務は次のように答える。
「相手は社会人ではなく学生であり、かつ人間であることを意識すること。
こちらは磨かれていない原石を探しているのだから、最初から相手は光っていないと思うこと。
そして、これは磨けば光るかもしれないと思ったら、面接の最中でも磨きに入ること。
チェックするのではなく、磨くのです。
面接や面談を何度か繰り返すうちに、どんどん磨きをかけていく。
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